学校評価(学校自己点検・自己評価、学校関係者評価)

東城看護専門学校は、2021年3月31日の「2020年度東城看護専門学校 学校自己点検・自己評価報告書」の結果をもとに、学校関係者評価を実施いたしましたので、以下の通り報告いたします。今回は新型コロナウイルス感染症第6波の感染急拡大の状況から判断し、書類での評価とした。

2021年度 学校自己点検・自己評価、学校関係者評価

領域 大項目 大項目平均点 中項目 中項目平均点
教育理念・教育目的 3.6 ①適切な教育理念・教育目的を定める 3.6
教育目標 3.6 ②適切な教育目標を定める 3.6
教育課程経営 3.3 ③教育経営者の活動を示す 3.0
④適切な科目・単元構成を行う 3.5
⑤適切な教育計画を作成する 3.2
⑥適切な教育過程評価の体系を整える 3.4
⑦教員の教育活動の充実をはかる 2.9
⑧看護実習体制の保障に努める 3.3
教授・学習・評価過程 3.3 ⑨授業内容と教育課程との一貫性妥当性を保つ 3.3
⑩適切な授業の展開過程を展開する 3.4
経営・管理過程 3.3 ⑪目標達成の評価とフィードバックに努める 3.2
⑫学習への動機づけと支援に努める 3.7
⑬東城看護専門学校の意思・指針を示す 3.5
⑭組織体制を整える 3.3
⑮財政基盤の周知を図る 3.1
⑯施設設備の整備の充実に努める 3.3
⑰学生生活の支援を行う 3.6
⑱養成所に関する情報提供を行う 3.6
⑲運営計画と将来構想を示す 3.1
⑳自己点検・自己評価体制の活用を図る 3.0
入学 2.9 ㉑適性のある入学生の確保に努める 2.9
卒業・就業・進学 2.9 ㉒卒業生の状況を把握しその評価を受ける 2.9
地域社会/国際交流 3.1 ㉓地域社会の動向を把握する 3.1
研究 3.1 ㉔教員の研究活動の充実を図る 3.1
【評価 4:非常に当てはまる、3:かなり当てはまる 2:あまり当てはまらない、1:まったく当てはまらない】

Ⅰ.教育理念・教育目的

教育理念・目的・目標は、学生便覧に明示し、入学前の学校説明会で保護者にも配布説明している。学生においても、入学時オリエンテーションで説明している。教育理念に沿って教育目的を作成して科目目標を設定しており「なぜ、今この学習をしないといけないのか。何が必要なのか」ということを開講時や学生指導時に説明するようにしている。教育目標との意味付けを理解できるようにシラバスの枠組み変更の必要性を考えているが、未だ変更には至っていない。2021年度は入学オリエンテーション終了後、学校生活に慣れてきた頃を見計らって(5月連休前)再度カリキュラム編成の考え方を説明した。

Ⅱ.教育目標

本校のカリキュラムは、2013年3年課程変更時に構築されたものである。カリキュラム構築から9年が経過しており、社会情勢や医療システム、学生像についても変化している現状があるが、基本的な考え方に大きなずれは生じていない。2022年度のカリキュラム改正における教育の基本的考え方として、「人間理解」「患者中心の看護」「倫理に基づく看護」「人間関係形成能力」「健康の保持増進・疾病の予防及び健康の回復に関わる看護」「多職種連携」「看護師としての責務」「専門職業人として学び続ける」という概念が求められている。そのため、来年度には明確に目標に表現されるように修正を行った。

Ⅲ.教育課程経営

各担当教員は、シラバスを毎年見直し、「シラバス・デジタル教科書委員会」で検討している。また、各学科目の単位数、学習目標、授業内容、コマ数、テキスト等を明記し、学生が予習にも生かせるように している。

現役の非常勤講師が多く、本校のシラバスにあわせながら、実践的な授業をするために担任若しくは領域担当教員が非常勤講師とシラバスを調整して授業を行っている。講師の人選は、関連施設の協力を得ながら慎重に行っている。また各々の専門性を発揮できるよう適正な時間数、配分、準備時間も考えて授業を依頼している。実習運営会議、実習担当者会議(打合せ会、振り返り会等)では、実習の目的・目標を意識して実習展開等の説明を行っている。学校と施設側が同じ教育的視点をもち、教育体制が整えられるよう取り組んでいる。

Ⅳ.教授・学習・評価過程

教授・学習・評価過程における授業内容は、学生に対する授業において教授・学習される教育内容であり、各科目の教育課程上の位置づけ・目標のみならず、養成所の教育理念・教育目標との一貫性を常に意識して授業内容を設定する必要がある。

Ⅴ.経営・管理過程

授業評価は、各専任教員がそれぞれの評価方法をとり、学生の意見を授業ごとにリアルタイムに返し改善している。しかし、学校としての統一した評価表を使用していないことが課題としてある。非常勤講師の評価ができにくいこともあり、していない。新人の教員の模擬授業は実施したが、教員全体で取り組む必要がある。科目ごとのシラバスに評価基準を明記し、授業開始前に学生に配布し周知している。成績通知書は、クラスにおける順位と分布状況、成績を記載しており、2回/年 保証人に送付している。評価方法は、試験だけでなく授業参加率、課題レポートなど多様にしている。履修認定は公平性が保たれている。学生は、教育目標に沿って、達成したかどうか評価表で確認している。

Ⅵ.入学

近隣の高校においては、学校長推薦は一人1件と決まっている。大学の看護系学部の新設があり、学生の専門学校離れが進行していることから、本校の推薦入学生数の減少が予測された。その為、入学試験に一昨年度からAO入試を導入した。

国家試験合格率が平均を下回っている。近隣校より授業料等の金額がやや高い。学校の認知度が低い。それらのことが、少子化に加え、本校の入学生が少ない大きな要因となっている。

6期生 推薦入試 9名  入学生数 25名、 7期生 推薦入試 8名 AO入試13名、入学者数31名、8期生推薦入試5名、AO入試16名、入学生数 25名、9期生 指定校 1名 推薦入試1名、 一般1名、社会人3名、 AO入試12名、入学者数18名となった。

Ⅶ.卒業・就業・進学

卒業生の到達目標は学生便覧に明記し、学生に説明している。「看護師教育の技術項目の卒業時到達度」に合わせて、援助を看護師指導の下実施し、技術が到達しているかどうかの認定を指導者又は教員がしており、全員の学生が、卒業時到達度に達していた。卒業生の卒業時の就業先は認識しているが、その後の活動状況は、認識していない。しかし、卒業生が、看護技術の練習や在校生におやつの差し入れや助言のために来校している。

Ⅷ.地域社会

ボランティア活動を一人1回以上実施するように指導している。医師会や地域の催事など社会と連携している。年1回地域住民を対象に学校祭を実施しているが、参加者は高校生が中心である。看護技術検討会の運営に参加し、各学校との親睦を図っている。

Ⅸ.研究

新人教員は、看護教員養成コースの研修中であり、他の教員は、定年近い人や嘱託教員の為、通常の業務を遂行するだけで精一杯の状況である。「看護研究倫理審査委員会規程」「看護研究に関するガイドライン」を作成したが、実践までには至っていない。ただし、本校が参加している看護技術検討会は、研究をすることを目的にしている検討会の為、本校の研究の協力体制は整っている。

学校関係者評価

コロナ禍の影響で2022年4月末に予定していた学校関係者評価委員会(学校関係者評価委員:本校では教育関係者、企業関係者、卒業生に委嘱)の開催を中止し、書類による学校関係者評価を行った。

1.方法

学校側が評価した2021年度の「自己点検・自己評価」を各学校関係者評価委員に送付し、「学校関係者評価」採点と意見を記載いただき、各委員の点数の平均を評価点とした。

2.結果

「2021年度東城看護専門学校 学校自己点検・自己評価報告書」の結果をもとに実施した。2020年度学校関係者評価において図書の新刊が少ないとのご意見があり、2020年度に図書を購入し充実を図った。また、本校は2019年度からデジタル教科書を導入しIT環境の充実が進んでいた為、コロナ禍におけるオンライン授業、シミュレーション教育を導入した学内実習等もスムーズに実施できたことの評価は高かった。学校運営内容を含め、概ね、本校の学校運営について、各評価項目とも大きな教育的課題のご指摘はなかった。

施設の老朽化が進んでおり、今後の重要な課題となるが、教育活動に支障をきたさぬよう、今後も、計画的に施設設備の管理・修繕・清掃や、教育機器・備品等の購入をすすめていきたいと考えている。

2020年度 東城看護専門学校 自己点検・自己評価
学校関係者評価

評価者\項目
教職員(平均値) 3.6 3.6 3.3 3.3 3.3 2.9 2.9 3.1 3.1
学校関係者(平均値) 3.7 3.7 3.5 3.7 3.5 3.3 3.0 3.2 2.7
【評価 4:非常に当てはまる、3:かなり当てはまる 2:あまり当てはまらない、1:まったく当てはまらない】

3.総括

今後、本校が取り組むべき課題の前に、関係者委員がもっと学校の運営内容を理解できる情報発信が必要であると考えられ、保護者や地域の方々も含め学校の理解をさらに得られるよう努力が必要と考える。そして、より良い学校運営のため、真摯に学校関係者の皆様から頂いたご意見を受け止め、今後の学校運営に活かしていくとともに、本校の教育理念に沿った、質の高い卒業生を看護師として輩出し、地域に貢献していけるよう努めていきたいと考えている。